米国イマージョン教育の発祥地に位置することを生かし、2017年度よりCalifornia Bilingual Associationの会員となり、イマージョン科を創設いたしました。英語で学習してもわかりやすい教科を、ELDの教員が丁寧に指導することで総合的な英語力を育成しています。
音楽を通して「英語がもつ音声・リズムの特徴や言葉の豊かさ」を理解し、歌を歌ったり、音楽理論を学びながら、自然に英語力を育てます。米国文化が学べる歌を合唱し、帰国支援のために、鍵盤ハーモニカやリコーダー合奏も学習します。音楽の授業で触れる英語は、教科書に提示される単語や文法の順番に関係ない自然な英語です。楽しみながら英語の歌を歌う体験は、子どもたちがこの先何年も英語に触れていきたい、と思う気持ちを育てます。
図画工作・美術を通して文化の違いを学び、手順を追って英語による指示を理解し、作品にこめた自分の考え・意図・気持ちを単語や短文でタイトルに表現します。マンダラ・メキシコの街並みなど日本の教科書にはない題材で多様な文化に触れていきます。廊下に並んだ色とりどりの作品を前に、最後に作品の意図、苦労したことなどをクラスの友だちに発表します。この中から、代表がスピーチコンテストに参加して、更にプレゼンテーションスキルを伸ばしていきます。
NACの家庭科は海外の文化も学ぶ総合的な教科です。1学期は本校でELD/ELAを指導している教員が栄養価について日本の教科書を活用しながらわかりやすく指導しました。また、メキシコの祝日であるシンコ・デ・マヨの由来を学びケサディーヤを調理したり、日米の朝食の違いを学びオート麦入りパンケーキを調理したり、「英語で考える学習」を体験しています。授業のまとめは英語を活用してプレゼンテーションでまとめるなど、グループ活動を通して限りなく英語力を伸ばす授業となっています。
NACのイマージョン教育では言語力の評価と教科内容の評価を別々に行っています。1年生から9年生まで小中を通して行う言語力の評価は、1学期の中間の時期に「聞く読む」などの英語の4技能評価ではなく、Following Direction・Active Participation・Application of Vocabulary・Contextual Feelingなどの所謂「使える英語力」についてルーブリックを活用して評価しています。1学期がはじまって間もない5月の評価では「指示を理解して行動する英語力」が半数以上の子供たちにすでに育成されていることがわかりました。そこで2学期からは、さらに実践的な英語力をのばすように、Expression・Cooperative Workなどの評価項目も加えていきます。また、中学部で行われる期末テストは、日本から編入してきた在米数ヶ月の生徒でも公平に教科の評価をうけられるように、バイリンガルテストを作成しました。このうち、英語による記述式問題については、半数の生徒が英語で回答することができたため、今後は英語による記述式問題の研究を続けていきます。
日本での英語教育に対する熱はかなり高いものがあります。自分の子がバイリンガルになることは、多くの皆さんの夢かと思いますが、英語圏に転勤と辞令が出れば、現地校編入を真っ先に考えていいのでしょうか。「アメリカに転勤だって!いいねぇ。○○ちゃんはすぐにバイリンガルになって、英語ペラペラだね。」と言われて渡米する子がほとんどですが、現実はそんなに簡単な話ではありません。
ダブル・リミテッド・バイリンガルとは、日本の教育での当該学年の国語力も、アメリカの教育の当該学年の学力もついていない状態のことを言います。特に2学年以上の国語力の開きができてしまうと、修復がとても難しくなります。この状態になって日本に帰国してしまいますと、将来の進路に響くことになります。
学力につながる学習言語能力ですが、英語でその力をつけるのに、母国語となる日本語の国語力が大きく影響します。すでに国語力がある子どもは、英語は読む力も発達が早いのです。日本語の基礎国語力ができていることで、英語の発達も速く習得できます。低学年で現地校に行かせるには、かなりの注意が必要です。日本語力が後退すると、その後に立ち直ることは難しいのです。
幼稚園から2年生ぐらいまで、つまり母国語となる日本語の国語力ができあがっていないこの時期に身につけた英語は、ネイティブのようなアクセントがとてもきれいですが、帰国後半年で忘れてしまいます。忘れてしまう英語のために現地校に行かせ、その犠牲として国語力・漢字力が遅れている、という状況が一番避けなければならない状況です。
西大和学園における英語教育では、上記の3つを避けるために、日本語の国語力をしっかりと身につけさせます。さらに、せっかく英語圏に住まわれているのですから、アメリカ現地校との交流も積極的に導入し異文化を学びます。そして、国語力を高めながらも、ELD(English Language Development)やELA(English Language Art)といった、レベル別に分けた授業を毎日行って英語力をつけさせます。お父様の赴任期間が終了し、日本の学校に入学・編入する時には日本にいる子どもたちよりも日本の学力をつけていると同時に、英語力はクラスの中でトップになります。
また、西大和学園の中学部では、進学校としての奈良の西大和学園から指導方法を継承し、日本において 帰国受験をする子どもたちにとって適切な指導を行える環境として高い評価をいただいております。合格校実績をご覧ください。