学園長挨拶
真の国際人に育ってほしい
本校では、子どもたちの豊かな人間性と個性を伸ばし、真の国際人を育成することを教育目標にしております。真の国際人になるために必要なこととは何なのでしょうか。
私たち西大和学園グループ創始者である田野瀬良太郎は、大学時代に1年間かけて世界33カ国を巡る1人旅をしました。往路片道切符を手に握りしめ、帰りは各国でアルバイトをしながら日本を目指す日々。過酷で挑戦の連続であったと田野瀬は言います。そんな中、最も準備しておくべきだったと痛感したのは「語学力」ではなく、「日本の文化、情緒、歴史、文学、地理を語れる自分になっておくこと」だったそうです。なぜなら現地の人々の興味の対象は、田野瀬がその国の言語を話せるかなどではなく、日本とはどのような国か、日本人とはどのような考え方や生活をしているのか。目を輝かせながら、日本のことや日本人の国民性について問われることに終始したのです。否応なく自分のアイデンティティを見つめ直す必要性に駆られるのです。
確かにそうです。言語は言語。何語を使うかではなく、その言葉で何を発するのか。アイデンティティや信念に基づくあなたの考えがあってこそ、人の心を動かし、人と人をつなぐコミュニケーションツールになりえるのです。ただ、言語を学ぶことは、その国の文化理解の助けになることも見逃してはなりません。真の国際人とは、ただ多言語を扱える人などではなく、その言語力とアイデンティティの上に成り立つものなのです。
では、西大和学園が目指す「真の国際人」とは、具体的にどのような要素を備えているのでしょうか。第1には国際的視野です。自分の身の回りで起こったことと、日本のどこかで起こったことと、遠い世界のどこかで起こったことを自分と関連付けて考えることができる感性です。第2に寛容な精神です。異なる文化圏で育った人たちとの交流においては、必ず違いを発見することになります。寛容し歩み寄りや共生を目指すのか、無視や排除に向かうのか。異文化や考え方の違いを受け入れることの難しさは、実際に直面しなければ分かりません。西大和学園で育つ国際人には、このことに正面から向き合ってほしいと思います。第3にはやはりコミュニケーション能力です。相手を知ろうとする態度、関りを持とうとする態度をもって、いかに心を通わせられるか。そのツールの1つとして語学力の向上があり、西大和学園では2言語(日本語・英語)の高いレベルでの習得を強く支援しています。また、愛情あふれる教職員との関わりを通じて、コミュニケーション能力を高めてもらいたいと思います。
創設者・田野瀬良太郎は世界を知り、他者と心を通わせ共に成し遂げる生き方に未来への希望を見出しました。その熱き想いによって創設された西大和学園。平日校、補習校、オンライン補習校で学ぶ全ての子どもたちに、地球上全人類のために貢献できる真の国際人に成長してほしいと願いを込めて教育にあたります。
西大和学園カリフォルニア校 学園長 西川 勝行
西大和学園における理想の英語教育に対するポリシー
日本での英語教育に対する熱はかなり高いものがあります。自分の子がバイリンガルになることは、多くの皆さんの夢かと思いますが、英語圏に転勤と辞令が出れば、現地校編入を真っ先に考えていいのでしょうか。「アメリカに転勤だって!いいねぇ。○○ちゃんはすぐにバイリンガルになって、英語ペラペラだね。」と言われて渡米する子がほとんどですが、現実はそんなに簡単な話ではありません。
ダブル・リミテッド・
バイリンガルになって
しまうことを避ける
ダブル・リミテッド・バイリンガルとは、日本の教育での当該学年の国語力も、アメリカの教育の当該学年の学力もついていない状態のことを言います。特に2学年以上の国語力の開きができてしまうと、修復がとても難しくなります。この状態になって日本に帰国してしまいますと、将来の進路に響くことになります。
第一言語である日本語
読解力習得を軽視
してはならない
学力につながる学習言語能力ですが、英語でその力をつけるのに、母国語となる日本語の国語力が大きく影響します。すでに国語力がある子どもは、英語は読む力も発達が早いのです。日本語の基礎国語力ができていることで、英語の発達も速く習得できます。低学年で現地校に行かせるには、かなりの注意が必要です。日本語力が後退すると、その後に立ち直ることは難しいのです。
小学校低学年で習得した
英語が短期間で抜けていく
幼稚園から2年生ぐらいまで、つまり母国語となる日本語の国語力ができあがっていないこの時期に身につけた英語は、ネイティブのようなアクセントがとてもきれいですが、帰国後半年で忘れてしまいます。忘れてしまう英語のために現地校に行かせ、その犠牲として国語力・漢字力が遅れている、という状況が一番避けなければならない状況です。
西大和学園における英語教育では、上記の3つを避けるために、日本語の国語力をしっかりと身につけさせます。さらに、せっかく英語圏に住まわれているのですから、アメリカ現地校との交流も積極的に導入し異文化を学びます。そして、国語力を高めながらも、ELD(English Language Development)やELA(English Language Art)といった、レベル別に分けた授業を毎日行って英語力をつけさせます。お父様の赴任期間が終了し、日本の学校に入学・編入する時には日本にいる子どもたちよりも日本の学力をつけていると同時に、英語力はクラスの中でトップになります。
また、西大和学園の中学部では、進学校としての奈良の西大和学園から指導方法を継承し、日本において 帰国受験をする子どもたちにとって適切な指導を行える環境として高い評価をいただいております。合格校実績をご覧ください。